年金生活者の趣味 アコースティックギター

楽器

小学校6年生の時に「6年生の科学」という教育雑誌の付録に、プラスチック製の箱にナイロン弦(今から思えばおそらくウクレレの弦だったような)を貼った簡易的な楽器がついていました。押さえる位置によって音程が変化することを、実験的に体験する教材だったのですが、何故だかそれがとても気に入って毎日遊んでいると、正確な音程ではないけど、そのうちメロディーが弾けるようになり、親にねだってウクレレを買ってもらいました。

中学生になるとフォークソングブームが始まり、ギターが欲しくなり、また親にねだりましたが、当時フォークソングなんて流行りの音楽は不良化の始まり?みたいな風潮があり、クラシックギターを真面目に練習するならという条件でクラシックギターを買ってもらう事になりました。

そのクラシックギターに、フォークギターの金属弦を張って、コードの練習をしてかき鳴らしていました。もともとナイロン弦のガットギターに無理やり金属弦を張って、ピックで掻き鳴らすものだから、ついに壊れてしまい、やっと念願のフォークギター(Aria W120 当時12,000円)を買って貰える事になりました。このギターは弦は張っていませんが捨てられずに、今でも所持しています。

コードが弾けるとそれなりに弾き語りはできるので、それ以降は気に入った曲(主に吉田拓郎さんの曲ですが)を弾いて歌って楽しんでいました。

それから社会人になり、結婚して、子供が産まれ、忙しく毎日の会社勤めに追われる日々が続き、いつの間にかギターはただ置いてあるだけの物となり、趣味という領域からは離れていってしまいました。

何十年とギターとは無縁の暮らしを続けていましたが、会社を退職し個人事業主として在宅での仕事を始めたある日、地域の集会所からバンド演奏の音が聞こえてきました。話を聞いてみると、地域に住む高齢者の方達(この時点ではみなさん70歳以上でした)が、自分の演奏できる楽器を持ち寄ってバンド活動の練習を週一回しているとのこと。また月に1回集会所で、近所の方々の前で発表会をしているとの事でした。演奏曲目は懐かしい唱歌から昭和歌謡・フォークソングなどという説明をしていただきました。

「何か楽器されるのですか?」と聞かれたので「我流ですが、ギターでコードを弾くぐらいなら…」と答えたら、「よかったら一緒にやりませんか?」と誘っていただけました。

その後、せっかくの機会なので、若い頃から憧れていたギター(Gibson J45)を購入し、数週間後の練習日に参加させていただくこととなり。今では楽しく高齢者バンドの一員として音楽を楽しむようになりました。今までバンドってやったことがなかったのですが、こんなに楽しいのなら若い時から誰かと一緒にやっておけば良かった!と少し後悔しています。

小学6年生の時の雑誌の付録が50年以上経って、このような人との繋がりに結びつくって、人生って面白いですね。

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