ある日、ドライブの途中で立ち寄った広場で、地元の人たちがアマチュアバンドの演奏を行なっていました。ギターとベースとキーボードという構成の5人のバンドでした。高齢者というには申し訳ない年代の人たちの演奏を身近に感じて聴いているうちに、いつも参加させてもらっている、我々のバンドにもベースが一人いれば広がりが出るのになぁ!という考えが浮かびました。
その時は誰かベース弾ける人が居ないかな?という程度の思いでした。しかし、日が経つにつれて、誰か・・・?という考えが、私が弾けたら面白いだろうなぁという考えに変わっていきました。
自分でベースを弾くという発想は、65年以上の人生の中で一度も考えたことのない考えだったので、なぜか新鮮で面白そうという気持ちが強くなっていきました。ただし、そんな突然の思いつきなので何から始めたらいいかもわからず、果たしてうまく弾けるかどうか?もわからないチャレンジでした。
まずはネットで配信動画がないか調べてみると、初心者向けのレッスン動画や基礎理論の動画がたくさん有りました。二週間ぐらい毎晩1時間ほど色々な動画を見続けていると、なんとなく出来そうかな?という気になってきました。ベースのⅠ弦から4弦の配列はギターの3弦から6弦と全く同じということがわかり、とりあえず最初は曲のコードのルート音を引いておけばなんとかなるということがわかりました。試しに手持ちのギターで3弦から6弦を使ってコードを見ながら簡単な曲のルート音を弾いてみると、なんとなく出来た感がありました。
こうなると、実際のベースが弾いてみたくなりました。周りにベースを持っている人はいないので、これは買うしかないな!と自分の物欲を必要性という言葉で装飾して、FenderのJazzベースを購入しました。入門用セットという選択もあったのですが、あまり安いのを買うとすぐに投げ出してしまいそうなので、ある程度スタンダードな物を買いました。
そして、購入した翌日には、参加させてもらっているバンドの練習にベースを持っていき、「申し訳ないけど六十の手習に付き合ってほしい!」とお願いして、練習していた曲全てをベースで参加させてもらいました。本当にコードのルート音を弾いているだけだったのですが、参加者の方からの反応もよく、そんなに簡単に弾けるの?と聞かれました。
はっきり言って、ギターでドレミが弾ける人ならば、このレベルまでなら本当に簡単に弾けます!ギターからベースへはとてもハードルの低い入り口なので興味のある方にはお勧めです。
今では、さすがにルート音だけでは寂しいので、簡単なベースランを入れてみたり、簡単なフレーズを混ぜてみたりして、バンドではベース奏者の扱いとなりました。